安全データシート(SDS)の見方を分かりやすく解説!
弊社で取り扱っている剥離剤や湿潤・固化材を安全にご使用いただくためには、事前に該当製品の「安全データシート(SDS)」をご確認いただくことが重要です。SDSには、取扱いや保管方法、万が一の際の応急措置などが詳しく記載されており、これに基づいた適切な対応が、作業者の安全確保と環境保全に直結します。
本記事では、安全データシートの基本的な見方をはじめ、GHSラベルの意味や、特に重要な「暴露防止および保護措置」について、実務に役立つ視点から解説していきます。
化学物質を扱ううえで欠かせない「安全データシート(SDS)」。職場でSDSを目にすることはあっても、正しく読み取れていない方も多いのではないでしょうか。本記事では、SDSとは何か、GHSラベルの意味、そして暴露防止・保護措置のポイントについて詳しく解説します。
1. 安全データシート(SDS)とは?
**安全データシート(SDS:Safety Data Sheet)**とは、化学物質の「性質」「危険性」「取扱い方法」「応急処置」など、安全に使用するために必要な情報を記載した文書です。
SDSの目的:
- 化学物質の危険性・有害性を理解する
- 適切な保管・取扱いを実施する
- 緊急時の対応方法を知っておく
主な記載項目(16項目):
- 製品名および会社情報
- 危険有害性の要約
- 成分情報
- 応急措置
- 火災時の措置
- 漏出時の措置
- 取扱いおよび保管
- 暴露防止および保護措置
…など
2. GHSラベルについて
GHSとは「Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)」の略です。世界中で統一された基準により、化学品の危険性を視覚的に伝えるためのラベルです。
GHSラベルの主な構成:
- ピクトグラム(絵表示)
例:火のマーク=可燃性、ドクロマーク=急性毒性、胸のマーク=発がん性など - 注意喚起語(Signal Word)
「危険(Danger)」または「警告(Warning)」 - 危険有害性情報(Hazard Statements)
例:「引火性が高い液体および蒸気」「吸入すると有害」 - 注意書き(Precautionary Statements)
使用時の注意点や応急処置方法など
※ピクトグラム画像 左から炎、どくろ、健康有害性
GHSラベルはSDSと連動しており、現場での迅速な判断材料として重要です。
3. 暴露防止および保護措置の読み取り方
SDSの第8項に記載されている「暴露防止および保護措置」は、化学物質の取り扱い中に健康被害を防ぐための情報です。
主な内容:
- 許容濃度(TLV・OELなど)
空気中における化学物質の許容濃度(例:ppm、mg/m³) - 工学的対策
換気装置、局所排気装置などの設置推奨 - 個人用保護具(PPE)
・手袋(耐薬品性)
・保護眼鏡/フェイスシールド
・呼吸用マスク(有機溶剤用など)
・防護服や長袖作業着など
実務でのポイント:
- 作業開始前にPPEの種類と着用方法を確認
- 換気設備が十分か点検
- 定期的な職場環境測定を行う
まとめ
安全データシートは、化学物質を安全に使用・管理するための基本資料です。GHSラベルとあわせて内容をしっかりと理解し、「暴露防止および保護措置」の項目を適切に実行することが、事故防止・健康保護のカギとなります。日々の作業において、SDSを「読む」だけでなく「活用する」ことを心がけましょう。