新型コロナウイルスとHEPAフィルターについて
「HEPAフィルター付空気洗浄機(陰圧対応可)」に用いられるHEPAフィルターについて
2021年5月15日更新
弊社で取り扱っております簡易陰圧装置(負圧集塵機)にはHEPAフィルターを使用しているため、新型コロナウイルス対策の空気清浄機(陰圧対応可)としてご案内しております。
こちらではHEPAフィルターとは何か、またHEPAフィルターがどのように新型コロナウイルス対策として役立つかについてご紹介させていただきます!。
コロナウイルスと陰圧装置についてのご案内はコチラをご覧ください
これらのHEPAフィルターは従来弊社が得意とする有害物質対策(アスベストや橋梁塗膜の鉛粉塵、ダイオキシン等)に長年使用しているフィルターです。
HEPAフィルターとは
HEPA(ヘパ)フィルターとは、日本語で表現すると高性能空気フィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)のこと。
やみくもに「高性能」というわけではなく、日本産業規格(JIS)に定められている「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもつ」という条件を満たしたものになります。
粒径のイメージについて
HEPAフィルターの捕集の仕組み
実物のHEPAフィルターを見ると隙間が数10μmありますが、つづら折りになっているため粒子との接触機会が複数回あるほか、小さな粒子の捕集にはブラウン運動(不規則運動)や静電気力、重力など、さまざまな目に見えない現象が起きることから微細粒子を捕集できる仕組みになっています。
HEPAフィルターのJISにおける性能要件では0.3μmでの粒子の捕集率が定められていますがNASAのHEPAフィルターに関する研究によると0.01μmの粒子でも100%捕集できるという結果もでています。また、新型コロナウイルスが含まれる飛沫(クシャミや咳など)はウイルス本体よりも大きく、5μmほどだといわれています。
これらのことから、HEPAフィルターで空気中の新型コロナウイルスを99.97%以上捕集することが出来るのです。
参考資料
HEPAフィルターによる新型コロナウイルスの集塵効果について、国際定期航空操縦士協会連合会(IFALPA)および日本乗員組合連絡会議(ALPA Japan)は「新型コロナウイルス(COVID-19)に関するガイダンス」のなかで、次のように説明しています。
新型コロナウイルスの直径は約0.125㎛の大きさであること、そしてこの粒子サイズはHEPAフィルターによって高効率で捕らえられる大きさです。
(参照元はコチラ/ALPA Japan 43-25 | 新型コロナウイルス(COVID-19)に関するガイダンス(改訂版))
また、公益社団法人応用物理学会のWEBコラム「空気中のウイルスの捕集」にて金沢大学の瀬戸章文教授がHEPAフィルターによる空気中ウイルスの捕集について図を使ってフィルター透過率などを説明したうえで次の様に記載しております。
HEPA フィルタは,通過させれば空気中のほぼ全てのウイルスを捕捉することができると言えます
移動式の空気清浄器にも HEPA フィルタなどの高性能フィルタが用いられており,飛沫感染や飛沫核(空気)感染の防 止 の た め の 浄 化 に 大 き な 効 果 が 期 待 で き ま す 。
(参照元はコチラ/公益社団法人 応用物理学会 特別WEBコラム1-2-4「空気中のウイルスの捕集」)
※お問い合わせをいただいた際にもご案内しておりますが、HEPAフィルターに新型コロナウイルスを殺菌・滅菌する力はありません。
空気中のウイルスを捕集するものです。捕集された新型コロナウイルスはHEPAフィルターにくっついたまま死滅するので、フィルターごと廃棄してください。